ビザジャーナル

2021-05-06

大学を中退した外国人を日本で雇用できるのか?


Q:IT関連の企業で、国内外の人事を担当しています。
アフターコロナを視野に、ウェブ面談ツールを活用して海外在住の外国人の採用活動を行っています。
最近面談を行った外国人(Aさん)は日本語も堪能で社会人経験もあり、将来的に当社(日本)でプログラマとして働いてもらいたいと考えています。

面談時、Aさんに学歴と職歴を確認したところ、「大学中退」であること、またプログラマとしての実務経験は8年だと言われました。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するためには、大卒以上か10年以上の実務経験を有していることが必要だと聞いています。
Aさんに日本で働いてもらうためには、少なくとも2年は待たないといけないのでしょうか。

A:ご理解の通り、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するためには、以下の①、②いずれかの要件を満たしている必要があります。
①大学(と同等)以上の教育機関を卒業している
②従事しようとする業務で10年以上の実務経験を有している

Aさんは大学を中退しているため、①の要件は満たしていません。
またプログラマとしての実務経験は8年のため、②の要件も満たしていないように見えます。

ここで、②の実務経験には「大学、高等専門学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に関連
する科目を専攻した期間」を含むことができます。
そのため例えば、中退した大学でAさんが「情報通信」を専攻していた場合、大学在籍年数のうち「関連科目を専攻していた期間」を実務経験としてカウントできます。
つまり、Aさんが大学で「関連科目を2年以上専攻」していれば、現時点で②の要件をクリアしていることになります。

但し関連科目の専攻期間は、例えば成績証明書等の提出により、申請者自身によって疎明されなければなりません。
またその他の実務経験も申請者が疎明しなければならないため、過去勤務した and 現在勤務している会社から在職証明書等を発行してもらう必要があります。

Aさんの転職経験が多ければ多いほど用意する証明書類が増えますので、十分にご注意下さい。