ビザジャーナル
2025-08-14
2026年開始予定の特定在留カードとは?制度概要と外国人・企業が今から知っておくべきポイント

制度の背景と目的
2024年6月21日に公布された法改正により、在留カードとマイナンバーカードを一体化した新制度「特定在留カード」および「特定特別永住者証明書」が創設されます。ただし、この制度はまだ開始されていません。
公布日から2年以内(=最長で2026年6月まで)に施行予定で、開始日は今後正式に発表されます。
これまで外国人は、在留カードとは別にマイナンバカードを取得する必要があり、それぞれ別の窓口(入管局・市区町村)で手続きを行う必要がありました。新制度では1枚のカードで両方の機能をカバーし、手続きの負担軽減と行政の効率化を目指します。
特定在留カードとは?
特定在留カードは、在留カードにマイナンバーカード機能を追加したカードです。
- 対象者:住民基本台帳に記録されている中長期在留者
- 特定特別永住者証明書:特別永住者証明書にマイナンバーカード機能を追加したもの
いずれも在留資格の証明とマイナンバー機能を1枚で兼ね備えています。
制度開始時期と取得義務
- 開始時期:2024年6月21日から2年以内(=2026年6月まで)
- 取得義務:なし(希望者のみ)
希望しない場合は、マイナンバー機能のない新様式カードが交付されます。
⚠ 注意:今はまだ申請できません。申請受付開始日は、出入国在留管理庁の公式発表を待つ必要があります。
カードに記載される情報
【券面に記載される事項】
- 氏名、生年月日、性別、国籍・地域、住所
- 在留資格、在留期間の満了日
- 在留カード番号、有効期間の満了日
- 就労制限の有無、資格外活動許可の有無
- 裏面にマイナンバー(個人番号)
【ICチップに記録される事項】
- 在留期間、許可の種類・許可年月日
- 在留カード交付年月日
- マイナンバー関連データや電子証明書
制度導入によるメリット
- 入管で在留資格更新や届出を行った際、その場でカード情報が更新され、市区町村での別手続きが不要
- カードが1枚になることで紛失・管理の負担軽減
- 情報更新が即時反映されるため、雇用主も最新情報を確認可能
実務上の注意点
【外国人本人】
- 入管での在留カード更新=マイナンバー情報も同時更新
- 在留情報の一部はICチップにのみ記録されるため、確認には対応機器が必要
- 紛失時は入管で再交付申請が必要
- 海外転出時はカード返納が必要
【企業・人事担当者】
- 採用・雇用時の在留資格確認は、券面だけでなく必要に応じICチップ情報も確認
- 在留資格・期間の管理精度向上
- 本人確認フローの見直しが必要
今後のスケジュール
- 現状:法改正は成立・公布済み、開始日は未定
- 今後:政令により施行日を定め、申請受付が開始される予定
- 運用マニュアルやICチップ読取ガイドラインも順次整備されます
まとめ
特定在留カードは、外国人の行政手続を大幅に簡略化し、企業の在留管理業務も効率化できる制度です。
しかし今はまだ制度が始まっていません。
外国人本人も雇用主も、制度開始に向けて情報収集と社内準備を進めておくことが重要です。
📌 参考