ビザジャーナル
2025-03-27
特定技能制度の運用改善について~企業の人事担当者のためのポイント解説~

近年、特定技能外国人材の受け入れがますます重要になる中、特定技能制度の運用に関する改善が進められています。
2025年4月1日以降、届出様式や申請書の記載事項など、実務に影響を及ぼすさまざまな変更が予定されています。
今回は、あまり特定技能制度に詳しくない方でも理解しやすいように、主要な変更点と注意点について解説します。
届出のルール変更
随時届出の変更点
1)受入れ困難に係る届出
- 新様式の導入:
2025年4月1日以降は新様式で提出しなければなりません。 - 届出対象の拡大:
・在留資格の許可を受けた日から1か月経過しても就労開始していない場合も対象に。
・雇用後に1か月間、何らかの理由で活動できない場合も対象に。 - 添付書類の新規作成:
・1か月以上活動ができない事情や行方不明者発生時に添付する参考書式が新たに作成されました。 - 自己都合退職の扱い:
・自己都合退職の申出は受入れ困難の事由の対象外。ただし、雇用契約終了の場合は「雇用契約終了に係る届出」の提出が引き続き求められます。
2)特定技能雇用契約及び一号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令の基準不適合に係る届出
- 新様式の導入:
こちらも2025年4月1日以降は新様式で提出しなければなりません。 - 届出対象の変更:
・従来の「出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為」があった場合から、「特定技能基準省令第2条第1項各号及び第2項各号に適合しない場合」に変更。 - 基準不適合の具体例(一部):
・税金や社会保険料等の滞納が発生したとき。
・特定技能外国人が従事すべき業務と同種の業務に従事していた労働者に関して、非自発的離職が発生したとき。
・関係法律による刑罰を受けたとき。
・実習認定の取消しを受けたとき。
・出入国又は労働関係法令に関する不正行為が行われたとき。
・外国人に対する暴行、脅迫、監禁行為が発生したとき。
・外国人への手当・報酬の一部または全部の不払いがあったとき。
3)1号特定技能外国人支援計画の実施困難に係る届出
- 新設:
2025年4月1日以降に提出しなければならない書面です(新設)。 - 対象:
・特定技能所属機関が自社で支援を実施している場合、支援計画の実施が困難となる事由が発生した場合に届出が必要となります。
4)1号特定技能外国人支援計画の実施における特異事案報告
- 新設:
こちらも2025年4月1日以降に提出しなければならない書面です(新設)。 - 対象:
・登録支援機関が支援の全部委託を受けている場合に、支援計画の実施が困難となる事由が発生した際、または特定技能所属機関の基準不適合が把握された場合に報告が必要となります。
定期届出の変更点
- 届出頻度の変更
従来の四半期ごとの届出から、1年に1回の提出に変更されます。これにより、年間の受入れ・活動状況をまとめた報告書の提出が求められます。
※定期的な面談については、従前のとおり、3か月に1回以上行う必要があります。 - 報告内容の統合
これまで「受入れ・活動状況」と「支援実施状況」を別々に提出していたものが、一体化した「受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書」となります。記載内容も、労働日数や給与支給総額など、年度の平均値などが記載対象となります。
在留諸申請における提出書類の変更
- 申請書の様式改正
地域共生施策に係る連携項目として、新たな項番が追加されるなど、申請書(省令様式)の記載項目が変更されます。2025年4月1日以降は、改正後の様式を使用してください。 - 初回申請時の必要書類の見直し
特定技能外国人を初めて受け入れる際は、外国人本人の書類に加え、受入れ機関としての適格性を証明する書類(登記事項証明書や役員の住民票の写しなど)の提出が必要です。なお、オンライン申請や電子届出を行っている場合、一定の事業規模のある企業では書類省略が可能となるケースもあります。
運用改善の背景と今後のポイント
今回の運用改善は、特定技能制度の透明性と正確な運用を目的としており、以下の点が強調されています。
- 不正行為防止の強化
特定技能所属機関や登録支援機関に対して、法令違反や不正行為を行った場合の届出内容がより厳格になっています。具体例として、税金や社会保険料の滞納、非自発的な離職、記録の隠蔽などが挙げられます。 - オンライン手続きの推進
オンライン申請や電子届出の活用が必須となることで、書類の省略制度が適用されるなど、手続きの効率化が図られます。企業の人事担当者としても、システムへの対応状況を確認し、適切な準備を進めることが求められます。 - 定期的な面談と支援体制の充実
定期面談は従来通り3か月に1回以上行う必要がありますが、オンラインでの実施も可能となるため、現場の実情に合わせた柔軟な対応が期待されます。
企業の人事担当者が今すぐできること
- 最新の届出様式の確認と更新
2025年4月1日以降に提出が必要な様式を、出入国在留管理庁の公式サイトで確認しましょう。 - 内部体制の見直し
オンライン申請や電子届出のシステムが正しく機能しているか、また必要な書類の管理体制を整備しましょう。 - 関係部門との連携強化
労務、総務、法務など、関係部門と情報を共有し、特定技能外国人の受入れや管理に関する体制を再確認してください。
まとめ
特定技能制度における運用改善は、外国人材の受入れをより適正かつ透明に行うための措置です。
今回の改正点は届出の方法や必要書類、報告体制の見直しなど多岐に渡ります。
企業の人事担当者としては、改正内容をしっかりと把握し、内部の体制を整えることが重要です。最新情報を公式サイトで随時確認し、必要に応じた対応を進めていきましょう。
以上、簡単ではありますが、特定技能制度の運用改善に関する主要なポイントをまとめました。
今後の手続きにおける不明点や疑問点があれば、ぜひ、弊社にご相談ください。