ビザジャーナル
2025-01-30
FRESCの相談対応・連携事例から学ぶ人事担当者向けガイド
近年の日本における外国人労働者の増加に伴い、企業の人事担当者の皆様も多様な課題に直面しているものと思います。
特に、外国人従業員の在留資格や労働環境については、毎年のように法改正等が行われており、知識のアップデートだけでも大きな負担がかかります。
そこで今回は、出入国在留管理庁が運営する外国人在留支援センター(FRESC)の相談対応・連携事例を紹介しつつ、人事担当者が直面する問題点とその解決策について考察します。
FRESCとは?
FRESC(外国人在留支援センター)は、外国人労働者やその雇用主をサポートするための専門機関です。
相談対応・連携事例の紹介
以下に、FRESCが公表した対応事例をいくつか紹介します。詳細はこちらをご参照ください。
1. 在留資格と労働契約に関する相談
ケース: 1年契約で雇用されていた外国人従業員が、次回の契約更新を断られ、帰国を迫られる状況に。
従業員は日本での次の仕事を探しているが、在留資格の問題に直面。
対応: 東京入管は、新しい雇用先が決まれば在留資格の変更手続きを行うよう助言。一方、外国人特別相談・支援室は、給与未払いの場合の労働基準監督署への申告方法を説明。
問題点: 在留資格の変更手続きに関する知識不足や、給与未払いといった労働トラブルへの対応策の不明確さ。
2. 家庭内トラブルと在留資格の変更
ケース: 日本人の夫との離婚後、子供と二人で生活する外国人女性が在留資格の変更を希望。しかし、生活費や住居の確保に不安を抱えている。
対応: 東京入管は、日本人実子の監護・養育を理由とした在留資格変更を説明。法テラスは、養育費の請求方法や弁護士への相談をサポート。
問題点: 家庭内トラブルが在留資格に直結するため、適切なサポート体制が必要。
3. 労働条件の不当変更と損害賠償請求
ケース: 特定技能「介護」で来日した従業員が、実際には異なる業務を強制され、さらに退職後に企業から損害賠償を請求された。
対応: 東京入管は、書面での状況説明を推奨し、在留資格の変更手続きを案内。法テラスは、損害賠償請求の根拠が不明である旨を説明し、弁護士への相談を勧めた。
問題点: 契約内容と実際の業務内容の不一致や、不当な損害賠償請求への対処方法の不明確さ。
企業が直面する主な問題点
- 在留資格の理解不足: 外国人従業員の在留資格やその変更手続きについての知識が不足している場合があり、適切なサポートが難しい。
- 労働トラブルへの対応: 給与未払い、労働条件の変更、損害賠償請求など、様々な労働トラブルに対する対処法が不明確。
- コミュニケーションの障壁: 言語や文化の違いから、従業員との円滑なコミュニケーションが困難。
- 法的手続きの複雑さ: 法律や手続きが複雑であり、専門知識が求められるため、適切な対応が難しい。
解決策と行政書士の活用
行政書士の積極的な活用は、これらの問題の解決に繋がります。
- 行政書士の積極的な活用: 行政書士は、特に在留資格に関する専門的な知識を持っています。
問題点を正確に抽出し、分かりやすく説明できる行政書士に相談することで、在留資格に関する法的なリスクを最小限に抑えられます。 - 社内研修の実施: 外国人労働者の雇用に関する法的知識や、多文化理解のための研修を実施し、社内の理解を深めることが重要です。行政書士による講習会やセミナーを活用するのも有効です。
- 専門家との連携: 法律や在留資格に関する専門家(弁護士や行政書士)と連携し、適切なサポート体制を整えましょう。
定期的な相談やアドバイスを受けることで、予防的な対応が可能となります。 - コミュニケーションの強化: 言語サポートや文化交流の機会を設け、従業員との信頼関係を築くことで、トラブルの予防につながります。語学に長けた行政書士を介してのコミュニケーション支援も効果的です。
まとめ
FRESCの相談対応・連携事例から学ぶべきは、外国人従業員との適切な関係構築と、問題発生時の迅速かつ専門的な対応の重要性です。一方で、このような体制の構築には、外部からの支援が欠かせません。
人事担当者の皆様におかれましては、ぜひ、行政書士を積極的に活用することで、外国人労働者が安心して働ける環境の整備を促進しましょう。