ビザジャーナル

2023-05-25

技能実習制度運用要領が一部改正されました


令和5年4月1日付けで、技能実習制度運用要領の一部が改正されました。ポイントは、以下の通りです。

1.技能実習計画関係
(1)「常勤職員等である旨の誓約書」を提出すれば、「技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員の常勤性が確認できる書類」の提出は原則不要となりました。
(2)技能実習計画認定申請のときに求められていた「技能実習期間中の待遇に関する重要事項説明書」の提出は、不要となりました(作成は必要です。実習実施者が保管します。)
(3)技能実習を中断した後に再開する際の手続が変更となりました。
・技能実習計画の変更認定手続により行えることとなりました(従来の新規の認定は不要)。
・ 技能実習を中断した後に再開する場合には、「中断した理由及び再開するに至った経緯等を記載した理由書(様式自由)を提出する必要があります。
・ 妊娠、出産等を理由に技能実習生が帰国することを希望した場合には、「妊娠等に関連した技能実習期間満了前の帰国についての申告書」を作成し、保管する必要があります。

2.監理団体許可申請関係
  監理団体許可申請において、財産的基礎に関する書類として「法人の事業に係る出入金が適正に行われているか確認できるもの」を提出しなければならなくなりました。

3.優良な実習実施者及び監理団体の基準関係
(1)「優良な実習実施者」に関する基準について、考え方が追記されました。
・ 技能実習生の実技試験の合格率の計算方法において、やむを得ない不受検者に当たらない例。
・ 技能実習生の昇給率において、直近の技能実習事業年度に対象者がいない場合の取扱い。
(2)「優良な監理団体」に関する基準について、考え方が追記されました。
・ 直近過去3年以内に適正な実習監理を行っていなかったことを理由として改善命令を受けたことがある場合、項目①Ⅰは加点対象として認められません。
・ 直近過去3年以内に技能実習生からの相談に適切に応じなかったことなどを理由として改善命令を受けたことがある場合、項目④Ⅰは加点対象として認められません。
・ 地域社会との共生に関する具体例等が追記されました。

4.監理団体の業務の実施に関するもの
(1)監査、訪問指導の頻度における起算月の考え方を記載しました。
(2)監理団体と雇用契約がない者を作成指導者として、技能実習計画の作成指導を行わせた場合、名義貸しに該当するおそれがあることを記載しました。
(3)帰国旅費の負担及び「必要な措置」に関する考え方を追記しました。
・監理団体が負担する帰国旅費には、技能実習生が出発する空港までの移動費が含まれます。
・帰国のためのPCR検査費用について、技能実習生に費用の負担が困難な事情がある場合、「必要な措置」の一環として、監理団体が負担する必要があります。
(4)技能実習生からの相談体制について、技能実習を行っている時間帯のみならず、夜間、休日にも適切に相談応需体制を整備する必要があることを追記しました。
(5) 令和5年6月以降、監理団体の業務の運営に係る規程は、原則、インターネットにより公表する必要があることを追記しました。
(6)監理費を預託させた場合の取扱いについて、預託させた金銭から監理費として精算した時点が徴収時点となり、預託額が監理費として精算(徴収)した額を上回った場合、それ以降の預託額の減額等により実習実施者に返還せずに他の用途に費消した場合には、法律で禁止されている手数料又は報酬を受けたものと見なされる場合があることを追記しました。
(7)監理事業の業務を委託する際には、委託の範囲を明確に定め、契約書等による書面での契約が望まれることを追記しました。

6.様式の変更
(1)技能実習計画認定申請に係る提出書類が変更され、一覧・確認表が更新されました。
なお、一部の書類に関しては、過去の申請又は届出時から内容に変更がない場合、当該書類を提出した日または申請番号(認定番号)を明示することで、提出を省略することができます。
(2)監理団体の許可申請の添付書類一覧表が更新されました。

詳細は、こちらをご参照ください。