フィリピン国籍の外国人を雇用する場合の留意点(2)

前回の続きです。以下、必要な手続きを確認していきましょう。

①現地エージェントとの契約締結
まず、対象者と日本の雇用主とが、POEA認定の現地エージェントと代理契約を締結します。
また、現地エージェントから、委任状等の書類を提供してもらいます。

②日本での公証手続き
現地エージェントから受け取った委任状等について、日本の公証役場とフィリピン大使館で「認証」を受けます。

③POLOでの手続き
現地エージェントから受け取った委任状等(認証済)と、申請書類(雇用主が作成)等をPOLOに提出し、POLOによる認証を受けます。
POLOは、提出された書類を審査します。審査に合格すると、認証済書類が返却されます。
※POLOへの申請が初めての場合、書類審査の後に面談審査が行われます。
 但し、POLOに申請を行ったことがある場合でも、状況に応じて面談審査が行われることにご留意下さい。
 なお、面談審査は、英語で行われます。

④POEAでの手続き(海外労働許可書の入手)
POLOで認証を受けた書類一式を現地エージェントに送付し、POEAに労働許可申請を行ってもらいます。
なお、POLOーPOEAでの手続きと並行して、日本の入管への手続きを行うことをお勧めします。

在フィリピン大使館での手続き(査証の入手)
在フィリピン大使館に、査証申請を行います。

以上は、「新たに海外から対象者を招聘する」場合に必要な手続きです。
なお、既に日本に在留しているフィリピン国籍の外国人を雇用する場合は、POLOで必要な手続きを行うとともに、対象者がフィリピンに帰国した際、POEAで必要な手続きを行ってもらう必要があります。

フィリピン国籍の外国人を雇用する場合の留意点(1)

Q:フィリピン国籍の外国人を雇用するためには、就労ビザだけではなく、更に別の許可を得る必要がある、と聞きました。
どこから・どのような許可を得なければならないのでしょうか?

A:フィリピン海外雇用庁(POEA : Philippine Overseas Employment Administration)から、『海外労働許可証』の発行を受ける必要があります。

POEAは、フィリピン国外で働くフィリピン国籍者の就労状況を管理・監督する、フィリピンの行政機関です。
POEAによる管理・監督は、年々厳しくなっており、例えば、フィリピン国外にある企業は、原則、POEAが指定する現地エージェントを介してしか、フィリピン国籍者と雇用契約を締結できません。
言い換えれば、フィリピン国籍者とは、直接の
雇用契約を締結できません。

そのため、ビザ取得手続きの前に、「直接雇用できる案件か(所定の要件を満たしているか)」を確認し、直接雇用不可の場合、仲介を依頼する現地エージェントを選定しておく必要があります。

なお、現地エージェント(Recruitment Agencies)の情報は、ここから確認できます。
現時点で、3716の機関が、現地エージェントとして登録されています。

海外労働許可証の取得のために必要な手続きについては、次回以降、詳細に説明します。