外国人ITエンジニアの審査期間短縮へ?

2023年秋から「外国人ITエンジニアの在留資格諸申請に関する審査期間が短縮される」との報道がなされました。
記事はこちらを参照ください。

国家戦略特区内が対象になるとのことです。
ITエンジニア業務が対象となる在留資格は「技術・人文知識・国際業務」です。
なお、出入国在留管理庁が発表している最新(令和5年4月1日~令和5年6月30日)の「技術・人文知識・国際業務」の在留審査処理期間(日数)は、以下の通りとなっています。

実現すれば、以下の日数よりも短い期間で結果が交付されることになるため、企業としての利便性は非常に高いものと考えます。

※在留審査処理期間(日数)の公表について(https://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukokukanri07_00140.html)の表を一部抜粋

”技術”と“技能”の境界とは ~その1~

Q:当社は精密部品メーカーです。人材派遣会社から紹介された外国籍人材が非常に優秀で、ぜひとも採用したいと考えています。
採用後は「品質管理部」に所属してもらい、主として品質管理業務を行ってもらう予定です。
ただ品質管理部は工場内にあり、現場を回ることもあります。
このような業務では「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は取れないのでしょうか?

A:どのような「管理」業務に従事するのかによります。
例えば、生産ラインの品質管理の仕組みを作り(例:QC七つ道具の導入など)、これを管理する業務であれば、技術的な専門性(例えば機械工学の知識等)を発揮できるものとみなされるため、「技術・人文知識・国際業務」の対象になると考えられます。
一方、工場で生産された部品を現場で目視検査する業務の場合、技術的な専門性を発揮できないと判断されます。そのため、この場合は「技術・人文知識・国際業務」ではなく「技能実習」に該当します。

「品質管理」と一口に言ってもその業務内容は様々です。実際にどのような業務を担当してもらうのか、を主眼に検討していく必要があります。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で許容される実務研修について

Q:来年から外国人社員の採用を検討しています。
当社では、新入社員研修として、入社後半年間は生産現場を含む実務研修(現場実習)を行っています。
以前受けたセミナーでは、在留資格「技術・人文知識・国際業務」で働く外国人社員は現場業務を行ってはいけない、と聞きました。このような実務研修も現場作業として認められないのでしょうか。

A:一定の要件を満たす場合、現場実習の実施も認められます。
出入国在留管理庁が発行しているガイドライン(「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で許容される実務研修について)では、以下の要件を満たす場合、在留資格「技術・人文知識・国際業務」で働く外国人社員への実務研修の実施を認めることとしています。
①日本人の大卒社員等に対しても同様に行われる実務研修の一環であること
②期間が決められていること(最大1年)
③在留期間の大半を占めるようなものではないこと
更に本来の業務遂行にあたり必要な実務研修である(実務研修の実施に相当の理由がある)ことが必要です。

なお実務研修を行う場合は、申請時に上記①から③、実施の必要性と研修計画概要を纏めた説明書を併せて提出することが望ましいと考えます。

大学を中退した外国人を日本で雇用できるのか?

Q:IT関連の企業で、国内外の人事を担当しています。
アフターコロナを視野に、ウェブ面談ツールを活用して海外在住の外国人の採用活動を行っています。
最近面談を行った外国人(Aさん)は日本語も堪能で社会人経験もあり、将来的に当社(日本)でプログラマとして働いてもらいたいと考えています。

面談時、Aさんに学歴と職歴を確認したところ、「大学中退」であること、またプログラマとしての実務経験は8年だと言われました。「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するためには、大卒以上か10年以上の実務経験を有していることが必要だと聞いています。
Aさんに日本で働いてもらうためには、少なくとも2年は待たないといけないのでしょうか。

A:ご理解の通り、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するためには、以下の①、②いずれかの要件を満たしている必要があります。
①大学(と同等)以上の教育機関を卒業している
②従事しようとする業務で10年以上の実務経験を有している

Aさんは大学を中退しているため、①の要件は満たしていません。
またプログラマとしての実務経験は8年のため、②の要件も満たしていないように見えます。

ここで、②の実務経験には「大学、高等専門学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該技術又は知識に関連
する科目を専攻した期間」を含むことができます。
そのため例えば、中退した大学でAさんが「情報通信」を専攻していた場合、大学在籍年数のうち「関連科目を専攻していた期間」を実務経験としてカウントできます。
つまり、Aさんが大学で「関連科目を2年以上専攻」していれば、現時点で②の要件をクリアしていることになります。

但し関連科目の専攻期間は、例えば成績証明書等の提出により、申請者自身によって疎明されなければなりません。
またその他の実務経験も申請者が疎明しなければならないため、過去勤務した and 現在勤務している会社から在職証明書等を発行してもらう必要があります。

Aさんの転職経験が多ければ多いほど用意する証明書類が増えますので、十分にご注意下さい。

4月から留学生を新卒採用します。卒業証書が3月下旬になるそうですが、どのタイミングで在留資格の変更ができますか?

4月入社の留学生の就労系への資格変更は管轄によって異なりますが、東京入管では、12月~資格変更申請の受付が始まります。例えば、就労系の在留資格で代表的な「技術・人文知識・国際業務」では、大学等の学士・専門学校の専門士が要件となっていますが、卒業まで待たずに、「卒業見込証明書」の原本を添付して、申請を行い、審査をすすめてもらうことが可能です。

ただ、審査が終わり、在留資格変更許可の通知(ハガキ)が来て、許可受け取りの際には、「卒業証明書」等を入管に持参して、学士・専門士等の取得を確認してもらうことになります。その他、留学生が従事する「職務内容」も大事なポイントとなります。

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