ビザジャーナル
2025-05-29
介護分野における特定技能制度の運用要領が改正|主な変更点をわかりやすく解説!

令和7年(2025年)4月21日付で、「介護分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に基づく運用要領が改正されました。
この改正は、外国人介護人材の受入れに関する制度運用の透明性と実効性を高め、介護現場の人材確保を支援する目的で行われたものです。
本記事では、今回の改正でどこがどのように変わったのか、特に重要なポイントに絞って解説します。
改正の背景とは?
近年、介護分野では深刻な人手不足が続いており、外国人材の受入れが不可欠となっています。一方で、受入れ体制の整備や適正な制度運用に対するニーズも高まっていました。今回の改正は、制度の信頼性向上、実務に即した柔軟な運用、そして介護の質の確保を図るために行われたものです。
主な改正ポイント
技能評価試験の運用強化(1号特定技能)
- 「介護技能評価試験」や「介護日本語評価試験」について、実施方法や評価水準に大きな変更はありません。
- 不正受験防止の措置や、試験実施団体の選定要件が一部明確化されました。
- 国内での受験対象者については「在留資格を有する者に限る」ことが明記されました。
技能実習修了者の優遇措置の明確化
- 介護職種・介護作業の第2号技能実習を良好に修了した者は、特定技能1号に必要な試験が免除されます。
- また、他職種でも3年以上良好に修了した実習生は、N4レベルの日本語試験が免除される可能性があります。
特定技能所属機関に対する支援・義務の強化
- WEBコンテンツ等を活用した日本語学習・研修受講の推進
- 訪問介護への配置要件として、初任者研修修了+実務経験が必要
- キャリアアップ計画や同行研修、相談窓口の設置など、ハラスメント防止措置を義務付け
治安対策の具体化
- 犯罪・失踪など治安上の問題を把握した際には、関係機関と情報共有し必要な措置を講じる体制が強化されました。
- 深刻な場合には、制度見直しや運用要領の再改正を検討することも明文化されました。
実務担当者が押さえるべきポイント
- 試験免除対象者の要件が明文化されたことで、判断が明確になりました。
- 受入れ機関の責任が強化されており、事前準備と体制整備が不可欠です。
- 外国人材の定着・育成には、WEB学習支援の活用が鍵となります。
まとめ
今回の改正は、単なる人手不足対策にとどまらず、介護の質を確保しながら外国人が安心して働ける環境を整備するものです。今後も制度の見直しは継続されると予想されますので、最新情報を継続的にチェックしながら、計画的な受入れと運用が求められます。
※本記事は厚生労働省および出入国在留管理庁の公表資料(令和7年4月21日改正)をもとに執筆しています。