ビザジャーナル
2024-06-13
「在留資格区分別にみた賃金(外国人労働者の賃金)」が公表されました
独立行政法人労働政策研究・研修機構が、「在留資格区分別にみた賃金(外国人労働者の賃金)」を公表しました。その概要は、以下の通りです。
在留資格区分別の賃金
調査結果によると、2023年の外国人労働者全体の平均賃金は23万2,600円で、平均年齢は33.0歳、平均勤続年数は3.2年です。在留資格区分別に見た場合、以下のような賃金の違いが見られます。
- 専門的・技術的分野(特定技能を除く):
- 平均賃金:29万6,700円
- 平均年齢:31.8歳
- 平均勤続年数:3.0年
- 特定技能:
- 平均賃金:19万8,000円
- 平均年齢:28.9歳
- 平均勤続年数:2.4年
- 身分に基づくもの:
- 平均賃金:26万4,800円
- 平均年齢:44.7歳
- 平均勤続年数:5.7年
- 技能実習:
- 平均賃金:18万1,700円
- 平均年齢:26.2歳
- 平均勤続年数:1.7年
- その他(特定活動及び留学以外の資格外活動):
- 平均賃金:23万1,300円
- 平均年齢:30.8歳
- 平均勤続年数:2.5年
産業別の賃金
次に、産業別に外国人労働者の賃金を見ていきます。調査結果は以下の通りです。
- 建設業:
- 平均賃金:22万6,900円
- 平均年齢:29.3歳
- 平均勤続年数:2.3年
- 製造業:
- 平均賃金:19万2,600円
- 平均年齢:32.0歳
- 平均勤続年数:3.2年
- 宿泊業,飲食サービス業:
- 平均賃金:21万6,700円
- 平均年齢:31.9歳
- 平均勤続年数:3.1年
- 生活関連サービス業,娯楽業:
- 平均賃金:19万7,200円
- 平均年齢:39.9歳
- 平均勤続年数:4.6年
- 医療,福祉:
- 平均賃金:21万6,300円
- 平均年齢:29.7歳
- 平均勤続年数:2.1年
- サービス業(他に分類されないもの):
- 平均賃金:25万1,500円
- 平均年齢:37.8歳
- 平均勤続年数:2.9年
※「専門的・技術的分野(特定技能を除く)」には、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興業、技能が含まれる。
考察
これらの結果から、在留資格や産業分野によって外国人労働者の賃金に差が出ていることがわかります。
「専門的・技術的分野」には、高度専門職が含まれることから、平均賃金が最も高くなったものと思われます。
一方、「技能実習」の平均賃金は最も低く、「特定技能」も2番目に低い結果となっています。現場での人手不足が叫ばれる中、このような差の是正は、人材確保のための重要な課題の1つと言えるのではないでしょうか。
また、産業別に見ると、製造業や生活関連サービス業では比較的低賃金である一方、サービス業(他に分類されないもの)では高賃金であることが確認できます。これは、IT系業務従事者の賃金が高いことに起因するのではないかと思われます。
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